青い。

青さ

「青いねぇ」

そう評される期間は、人生で一瞬。
その間は、猪突猛進で進み、立ち止まって考えることもしない。
常に一生懸命、常に前向き、常に全力疾走。

ーーーー若さって素晴らしい。

その素晴しさを、ぜひ全力で味わってほしいものだ。
青と赤が混ざり、紫色になったらもう２度と戻れないのだから。

「若さは美徳だね」

通りすぎた自分には、真似できない。理解できない。

ジッポの火を煙草に移しながら、燻らせた紫煙を肺一杯に吸い込む。

ーーーーうん、美味い。

「だけど、時に欠点にもなる」

特に、命を握られているような場面では。
相手に罵詈雑言浴びせるのは、若さゆえの馬鹿としか言いようがない。

「それじゃ、おやすみ」

撃鉄を起こす。

君は、一生青いままだ。