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刹那、空気が凍りついた。
ん? タブーだったのか、この質問……茂青に目をやれば、どうやら正解だったらしい。だがこっちは初対面だ、どうすればよかったと? 困惑する蒼士に気づいた青周が、すかさず言葉を挟む。
「いまは俺が養ってます(笑)こいつ、なんつーかその、メンタル的にアレな時があって……」
すると、あからさま不機嫌になった慧が、頬を膨らませて抗議する。食べ物を入るだけつめこんだ時のリスのようだ。
「はずかしいから言わないでっていったのに! それに、僕だって、ときどきは働いてるじゃないか! 僕、ハルに養ってほしいなんて言った覚えないよ!?」
「ハイハイ、それは悪ぅございました」
軽くいなす青周。その反応でさらに慧は機嫌を損ねてしまう。あわや(痴話)喧嘩ぼっ発!? どうやって止めようかオロオロする茂青。
その様を横で見つめている蒼士は、いままで知らなかった義父の別の一面を見たような気がして、興味深かった。
なにしろ家族で暮らしていた頃は、茂青こそトラブルの発火点だったのだから。
「け、慧くん! 青くんは悪気があってああ言ったわけじゃないんだ。わかるだろう? それに、慧くんの体調に波があるのは本当のことだし、だからそれが原因で働けない時があったとしても、ちっともはずかしがることじゃない!」
懸命に仲裁する茂青――なんともレアだ。
穏やかに笑んで、蒼士があとを継いだ。
「そうか……きみは現在、体調が安定していないんだね。知らずに訊いてしまって申し訳ない。でも、焦らなくていい。ゆっくり療養して、調子が戻ってからまた始めればいいんだ。きっとうまくいく」
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