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さてひとまず、そのことはおいといて、今、目の前にいるふざけたクソ電波女の話をしよう。
肩までかかるセミショートの黒髪、160㎝ぐらいの華奢な体躯、しかし、透き通った目鼻立ちで活発そうな印象を与える容姿。
そして何よりも吸い込まれそうな青い、瞳。
この女はその、HD189733bから来た宇宙人らしい。……けっして自分が錯乱しているわけでも、脳や精神に異常を来しているわけではないことを断っておきたい。もちろん科学者でもないので、宇宙人がいないと断言できるわけではないが、往々にして、自分は他の惑星から来た地球外生命体などと吹聴する輩は脳が沸騰していると思われても仕方がないだろう。
その旨を伝えると。
「いやいや、脳が沸騰しているなんて照れますねぇ」
「いや、まったく誉めてねぇよ? 日本語が通じてないのか?」
「あら、脳が沸騰しているって、とても慈悲ぶかい温かな思想の素晴らしい人物といことでは?」
「わかったわかった、OKそれでいい」
そんな会話を交わしたこともあった。
相手をするのも馬鹿らしい。このふざけた女になぜか気に入られているのか、高校の入学式の頃から付きまとわれている。そこで、断りきれない自分も大概だと思うが。
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