0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ハイハイ。後、何で俺を名前で呼ばねぇんだよ。俺には名倉卓巳という、まぁ平々凡々だが、れっきとした名前があるんですけど」
こいつは俺のことを名前で呼ばず、あなたや君、と呼ぶ。ついでに基本的に敬語を使う。
「いやいや、地球人に情を持ったら困るじゃないですか」
「というかだな、お前の言う母星の環境知ってる? とても人間が住める環境じゃないけど」
「あ、あれは人間を欺く借りの姿です。人間が自分の目で見たわけではないでしょう。地下に住んでいる可能性もあるでしょうが」
「あの惑星ってガス状なんだから、地下とかないだろうが」
「……どうやって住んでいるかは企業秘密で」
いつも、八代が俺を呼び、巻き込み、俺は文句を言いながらも、冗談に付き合う。それが俺たちの心地よい関係性だった。
最初のコメントを投稿しよう!