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「それにしても、びっくり。この絵の通り、本当にこんなにも池の水が青いだなんて。水面に映る周りの風景も……なんて素敵なんだろう」
『真冬の蒼池』
そんなタイトルの付いたその作品を最後に、南山先生はつい先日断筆宣言を行った。
先生は以前にも一時、休筆した事がある。
けれども、その後復活を果たしてからは、以前よりも精力的に作品を世に送り出していたと言うのに。
「静かな水面に周辺の風景が反射する……鏡張り現象っていうやつだね」
「わっ!?」
突然、真後ろから聞こえたその声に、私は思わずタブレットを手放してしまった。
幸か不幸か、落としたタブレットは私のつま先の上をバウンドしてから地面へと着地した。
「いったーい!」
「ああ、ごめんごめん驚かせちゃったね。大丈夫かな、タブレット」
ええ、そっち!?
私よりも、タブレットの方を心配して、屈み込んだその声の主。
私は涙目になりながら、嫌味たっぷりの言葉を彼の頭上から思いきり投げかけた。
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