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「関係ない?それはおかしいですね。娘さんの保護者はあなた独りのはず。あなたがここで拘留されていることは娘さんにとっても大問題のはずです。」
「…!」
森山の額に汗がにじむのが見える。ここに青色の行方のヒントがあるのだ。おそらく。
「私たち警察としては、あなたの身柄を確保する以上、あなたの子供を放置しておくことはできません。別に娘さんを呼びだしたりはしませんよ。ただ身寄りのない子を預ける施設を紹介したいだけです。」
「そんなの必要ないです。」
「必要ない?ほかに身寄りでもあるんですか?」
「そんなものない。預けるような友人もいない。ただ、その、娘は私がいなくとも一人で大丈夫なんです。」
「インクレディブルさん。あなたは母親に育児放棄され辛い少年時代を過ごしたのでしょう?なのにあなたがなぜ娘を独りで放置できるというのです。前回の取り調べを見る限り、あなたは娘さんを溺愛してるように見えましたが。」
「それは…。」
やはり、森山のこの態度はおかしい。娘がいると分かってから何か違和感があった。大事な娘をほったらかしにしたまま、3か月も保身のために黙秘するだろうか。極悪非道の怪盗ミスターインポッシブルにも父親の情はあるように見える。
「もしかすると本当に、娘さんの世話は必要ないのではないですか?」
「どういうことです。」
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