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「外れていたらごめんなさい。これは私の推測なのですが、あなたの娘さんはもうこの世にいないのではないでしょうか。」
「…!」
ガタっ。
立ち上がったインポッシブルの瞳孔は開いている。。
「なんで…。ちがう。娘は。ただ。」
「当たっているんですね。」
ガタガタと歯を震わせながらインポッシブルはうつむいている。それから10秒ほどして、少し気持ちを落ち着かせたのかゆっくりと着席する。
「ミッションインポッシブルさん。娘さんは、いつ?」
「一昨年の春だよ。脳腫瘍だった。まだ小学校も卒業できていなかったのに。」
「そうですか…。お悔み申し上げます。」
「それで?あんたは私にこんな気持ちを思い出させるために取り調べをしたのか!」
これは、重要なことだ。MissionInpossibleには娘がいた。他の人間との関係は乏しく、彼には娘しかいなかった。そしてその娘さんが亡くなった。
M.Iが盗んだ青色は彼の潜伏ルートには存在していない。ということは青色は親しい誰かに渡したはずだ。しかし渡す相手はもうこの世にいない。
「さきほど、部下が言っていたんです。色泥棒なんて前代未聞の盗みをする怪盗は、この世の人間じゃないかもしれないって。それは、半分当たりかもしれません。」
「いったい何を言って…。」
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