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森山勇というよくある名前と中年小太りの容姿が公開されファンクラブは消失した。
問題なのはここからで、怪盗モリヤマは盗んだ青色の隠し場所を吐かなかった。警察は何としてでもゲロらせようと、あらゆる尋問、拷問、カツ丼を試したが効果は無し。ならば森山の動いたルートを捜査して青色がどこに行ったのかを突き止めようと、全警官を動員して3か月が経つ。
「どうして青色の隠し場所見つからないんでしょうね。」
「仲間がいてそいつに渡したと考えるのが普通だろうね。しかし森山の交友関係、家族関係がさっぱり分からないんだ。いったいあいつはどこから来たのか。」
ミズキはパサパサのサンドイッチを口に入れながら考える。
「色泥棒なんてするぐらいだから、この世の人間じゃないかもしれませんよ。」
「いや、あのビジュアルは現代日本で生まれた人間だろう。もしも異世界があるならそこは美形男子とダンディガイばかりのはずよ。水取ってちょうだい。」
「先輩って理想高いですよね。はいどうぞ。」
「ありがとう…うわなんだこれすっごく辛そう。私辛いの無理なんだが。」
「アクエリアスですよそれ。もういい加減慣れてください。青かったものは全部補色の赤色に染まったんです。」
「ああそうか。すまない、やっぱり赤い水は慣れないわ。」
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