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「ああ、頼む波鳥。お前はまだ若い。お前なら、可能性を切り開けるはずだ。絶対に青色の在処を吐かせて、8000円の元を取ってくれ。」
「…わかりました。やってみます。」
おお、と偉い方々が声をあげる。
正直に言えば自信はない。しかし、ここで引き下がるわけにはいかない。
青色を失った人々と、お金を失った先輩の悲しみ。必ず私が救って見せる。
「ところで紀伊さん。三途の川は何色でしたか?」
「ん?ああ、青色だったよ。久々に青い水を見たな。さすがの怪盗も死後の世界にまで手を出すことはできなかったらしい。」
なるほど。死後の世界には青色があったと。
その時、波鳥の頭に一筋の可能性が生まれた。
もしかすると、このとんでもない事件には相応するだけのとんでもない結末が控えているのではないか。
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