期待に膨らむ

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 ジーッと見つめて、緑色のつぶらな瞳が可愛い。と思ったら「クシュン!」と可愛らしいくしゃみ。  チャンスとばかりに身を投げて両手を伸ばす。ハッ!と慌てた香さんの姿が、消えた。両腕は空振りして、俺はダサいことにボフンッ!とベッドにダイブ。  香さんの代わりに枕を抱きかかえ、もう放置して寝てやろうかと一瞬思った。が、トンッと背中に軽い重さを感じた。 「香さん、怒っているんスか?俺は明日の仕事が辛くならないようにと心配して、このまま寝るのを勧めたんスよ?」 「…………」 「足踏みをしないでください。なぜそんな姿になっているのかはわかりませんが。一緒に寝ては襲いかねないので、ここで寝るのなら俺は向こうに行くッスよ」  マッサージのつもりですか?俺の背中の上でピョンピョン跳んだり、小さな足でギュムギュム踏みつけたりと好き勝手してくれている。  声をかけても何も言わない香さんは、ピョンッと大きく跳ねるとまた姿を消した。  寝返りを打って起き上がるが、待っても待っても、目を凝らしても香さんの姿が見えない。どこに行った?  さらに10分ほど探しても香さんが俺の赤い瞳に映ることはなく、ベッドを降りる。何だか胸騒ぎがする。部屋を出て、隣の部屋へ。  静かにドアを開けると、ベッドの布団は盛り上がっている。  足音を立てないようにゆっくり近づき覗き込めば、そこには「スゥ、スゥ」と寝息を立てて熟睡している香さんがいた。
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