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…………え?じゃあ、さっきの狐は?香さんじゃないのか?いや、しかしあの狐から感じた香りは香さん特有の甘い香りだった。
なら、分身?妖孤の力で分身できるとはいえ、こんなにも熟睡しながら分身して、しかも俺をからかうなんてできるのか?
わからない。わからないから、考えるのは諦める。朝になって香さんが起きたら聞いてみよう。
とりあえずわかるのは、この香さんから漂う甘い香りが濃いということ。つまり……
起こさないようにそっと、かけ布団の横側をまくって手を忍ばせる。あ。熱を持ったままだ。しかも、かなり寸前?これでよく熟睡できるな。
布団の中で竿をつかんだまま、香さんの愛らしい寝顔を見つめる。深い深い眠り。直接触っているのに起きる様子はない。
俺からすれば美々な据え膳。脳が揺さぶられるようにクラクラする。ここで放置してしまうのは俺のプライドが許さない。
「すみません、お借りします」
そのまましゃがんで、片手は香さんの竿を握ったままもう片方の手で自分の竿を取り出す。
実は自分で煽っておきながら、半起ち状態。起きてしまうかもしれないとハラハラしながら寝顔を見つめ、2本の竿を扱き始める。
まさか寝ているフリとかではない、よな?「んっ」と小さな声を上げて寝返りを打ち、俺の方を向いた。
心臓がバックバクのドッキドキドキドキ。あ、焦った。寝ている間にこんなこと、バレたら監禁されたのち香さんの気が済むまでヤりっぱなしになるに違いない。
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