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「香さんのせいじゃ、ないッス。少し、疑心暗鬼になっていただけで。冷たく当たってしまって、申し訳ありません。あぁ、首が赤くなっていますね。お詫びに……」
「あっ!ひ、緋桜、舐めんでも……すぐに治る……っ、はうっ」
やっと合わせた瞳は不安で揺らめいていて、奥に赤く燃える炎が見えた。不安なのに炎?
手加減なく締め付けられていた首が赤くなっていると、緋桜は泣きそうな顔。甘えるように首元に顔をうずめ、ベロンッと赤い部分を舐める。
強く吸われ、ズキンッ!と痛む。しかし痛みが快感に変わった。情けないことにその一撃で下半身が熱を持ってしまって。驚いた緋桜は顔を上げて苦笑。
甘く「緋桜」と名を呼んでやるとわしの頬に手を当て、唇を重ねてくれる。目を閉じて、何度も愛を重ねる。
モヤモヤの違和感が薄まった、ような気がした。快楽で上塗りされていたからかもしれぬが。もうよい。前と同じじゃ。
緋桜が主様のことを1人で抱え込んでいたように、また何か隠しておるのは目に見えてわかる。打ち明けてくれぬのはまた、わしを傷つけると思うておるから。
無理矢理に追及して、また目を抉られては完全失明。わしも、これ以上緋桜を傷つけとうはない。
おぬしがわしを信じて打ち明けてくれるのを待つ。今度こそ待ってやるゆえ、来週は共に行こう。シオン君と猫屋敷君の愛の巣へ。
夜にちょっとしたパーティーをするのでぜひ参加してほしいと誘われた。緋桜には言いそびれたが、必ず同席させる。
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