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電話があったのが3日前だったので休みが取れず。早く切り上げた仕事終わりに帰宅せずに、スーツのままなのが申し訳ないが。
そのため、香さんはまだ仕事のオンモード。それでも明るい緑色の瞳をキラキラ輝かせて、まるで無邪気な子供のよう。
無邪気なわけがない。邪気だらけの化け狐、絶倫の女王様なんだが。
香さんが最近、1人で来たのだという猫屋敷さんの家。そこで擬人化が中途半端になってしまった白猫の子と出会い相談を受けていた。
俺が自分で左目を抉って眠っていた間にそんなことがあったのかと、話を聞いた時には驚いたが。
相当ショックを受けていた時にでも猫屋敷さんの頼みを聞くのは。猫屋敷さんが香さんの旧知の友だから?それとも擬人化種の明るい未来のため?
良くも悪くも平凡な子だと、香さんは言っていた。真面目で正義感が強く、そして猫屋敷さんとラブラブなんだと。最後のは必要ない。
「すでに先客がいるようッスね。しかも、この声は……」
「楽しいパーティーになりそうですね。さ、早く開けてくださいっ」
約束していた時間よりも2分ほど早く到着。玄関でチャイムを鳴らしたのちに返事がありドアに手をかけると、中から何やらにぎやかな声が聞こえてきた。
1人は猫屋敷さん。何か言い争っているようで、もう1人は俺もよく知っている女の声。あぁ、開けるのが嫌だ。面倒なことになりそうだ。
それでも香さんはワクワク。急かしてくるのでゆっくりドアを開けると、真っ白な髪の男の子がいた。
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