仲直りは激しく淫らに

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 イヌワシの回復力は狐よりも上か?  あの晩、暴走して倒れた緋桜は丸1日眠りっぱなし。無事を知らせるためにもドクトルに電話し、もらった新薬を飲ませれば大丈夫だと言われ、何とか新薬を飲ませてみた。  眠っているのでただ口に突っ込んで水を流し込むのでは飲んでくれず。やっぱりというか口移しで飲ませてやり、朝が明ける頃に目を覚ました。 「…………すみませんでした。醜い姿をさらし、怖い思いをさせてしまった。でも、あれも全て俺なんス。いつかまたあなたを傷つけてしまうかもしれない。それでも、これからも俺のそばにいてくれますか?」  目が合った。酷く疲れた様子の赤い切れ長の目はわしをまっすぐ見つめ、不安に揺れる。  わしが逆らえないだろうと、好き放題してくれたのぅ。抵抗しようと思えばできた。なにせわしは、1000年もの時を生きた妖孤。  その力をいかんなく発揮し、主様を懲らしめた時のように触れただけで弾き飛ばすくらい造作もなかった。  そうしなかったのは。わしを傷つけようとする自分に苦しみ涙を流す緋桜を愛し、受け入れると決めておったから。  つまり、わしが傷つき苦しんだのはわし自身の責任でもあるとういうことじゃな。だからわしは、緋桜の頬に手を当て、グアッと口を開ける。  噛みつかれると思ったのか、ビクッ!と体をこわばらせた緋桜の鼻を期待通り軽く噛んでやった。そして、目を閉じて唇を重ねる。
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