猛禽類の野性

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 高熱から完全復帰した3日後。平日。今日は表向きの仕事の合間を縫って、とある場所に来ている。  車を出して、俺と香さんともう1人、スーツを着た若い女は街の中心街へ。ひときわ大きなビルの、これまた広々とした駐車場に駐車。  正直、天変地異が起こっても来たくはない場所。車を降りて、助手席側のドアを開けて香さんが降りると後部座席に座っていた若い女も降りた。 「緊張しますか?大丈夫ですよ、社長は少々……少々?まぁ、かなり曲者ですが。慣れれば何を言われても右から左に聞き流せば気にならなくなりますから」 「仕事に関しては一流ッス。プライベートのことで何か脅されたり暴力を振るわれたりすれば、遠慮なく連絡してください」 「そ、そんな怖い社長さんなんですかぁ?面接前に脅さないでくださいよぅ……」 「「頑張ってください」」 「お2人共ーっ!?わ、わたし、この街でやっていける自信がなくなってきました。真藤市長、やっぱりデパートの小さな呉服店とかに……」 「彼からの風当たりが強いのは私と真藤君くらいですから。心配しなくても、あなたのような新人には優しいですよ。口が悪いのはいつものことですから気にしないでくださいね」 「まぁ、まずは会ってみましょう。話はちゃんとつけているので採用してくれるはずッス」  タイトスカートから延びる足を冷たい風に撫でられて震えている。というか、冷たい風のせいもあるが緊張と、俺と香さんの軽い脅しというか事実に怯えて。
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