爆走ワンコVS暴走ニャンコ

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 翌日。久々の丸1日の休み。今日は街にできた新しい店、チョコレートの専門店に行きたいと香さんが急に言い出したので出向いているところだ。  まったく。きっと事務の若い女性達に教えてもらったんだろうが。男2人で入るにはなかなか、勇気がいると俺は思う。 「――それでね、あの子達が割引券をくれたんですよ。スタンプカードを作ったらもらえる割引券。私達も作ったらもらえるので、シオン君にでもあげましょう」  なのに香さんときたら、全く気にしないで超ルンルン。女子高生か。  スタンプカードって、通うつもりですか?2回目があるんですか?ということは俺、お供するんですよね。シオン君と2人でどうぞ。シオン君なら許しますので。 「あれ?真藤君は、甘いチョコレートは苦手ですか?お菓子とか食べるイメージが全くないですけど。ビターチョコとかなら?」  専用の駐車場に車を止めると、もらったのだという割引券が付いたチラシをヒラヒラさせる香さん。外なので、プライベートでもオンの状態。  上下左右に羽ばたくチラシを目で追いかけていたが、見えない。嘘、しっかり見えました。イヌワシなので。パシッと香さんの手首を捕まえて、ほう。  子供向けだとは思うが、様々な種類のチョコのつかみ取りが期間限定であるらしい。しかも無料。これは絶対、香さんが目を輝かせて飛びつくな。俺は遠くから眺めていよう。  香さんのためとはいえ、あまり気が乗らない。なにせチラシに載っている店の外観、内装が飛びぬけてポップ。
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