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まるでオモチャ。赤青黄緑ピンク水色オレンジ黄緑、それらがつぎはぎのパズルのように不規則に彩られていて。そしてそれらのパーツやモニュメントが、お菓子を表している。
とてもカラフルで、お菓子の家をモチーフにしているようだ。甘いものは好きだが、これはさすがに、男2人というのがイタイ。
「イメージを壊して申し訳ありません。俺、甘いミルクチョコが好きッス。イチゴチョコとかも大好きッス」
「……予想外過ぎるのじゃ」
俺には真面目でカタブツなイメージがあるが、甘いものは好きだ。あまり量は食べないが、疲れた時なんかに食べるのがたまらなく美味い。
俺の口から「イチゴチョコ」と飛び出したあたりで香さんの顔が豹変。オフ。甘酸っぱいイチゴチョコ、マジで大好きなんで引かないでください。
俺の意外な一面を見られてよかったッスね?誰も見ていないのを良いことに、香さんがオフであることを良いことに、指で頬を撫でて微笑む。
柔らかくてスベスベな、香さんの頬。何か手入れでもしているんですか?若作りですか?
「っ!い、行きますよ真藤君っ」
あ、逃げた。耳を真っ赤にさせて、オンに戻った香さんは慌ててドアを開けて飛び出す。アスファルトに足をつけた途端にバッ!と子供のように走り出して。
保護者よろしく「ぶつかりますよ」と声をかけようとして、香さんがこけた。というか、マジで人にぶつかったんだが。
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