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言わんこっちゃないな!?あまりのタイミングの良さに驚いて寸の間、体が動かなかったぞ。瞬きをして、ダッシュ。
ぶつかった香さんは尻餅をついたくらいで怪我はなく、肩を抱いて起こす。ぶつかられた側の、女性。香さんの勢いが強かったのでかわいそうに、弾き飛ばされていた。
「いったたたたたた……もう、どこ見て走ってんのよ!どこのクソガ、キ…………って、えぇ!?」
「うわ、あなたでしたか。知り合いでよかったよかった」
「ドット柄のパンツが丸見えですよ、本庄さん」
「あ、あ、あ、あ、あんた達ぃぃぃぃぃぃっ!!くぅっ……香さんはともかく。あんたは殺すわ、緋桜っ!」
自力で起き上がった女性は、シオン君のバイト先の店長こと本庄さんだった。スカートが捲れて、見たくもないものが見えてしまっている。
色気も何もない、汚いものを見てしまった。顔を背けると、丈夫なことに怪我もないらしい元気な本庄さんが「シャーッ!」と殴りがかってきた。
後ろに香さんがいるので避けるわけにもいかず、パシィンッ!と左手で受け止める。すぐさま、もう片方の拳が下から襲いかかってきたのでこっちも右手でキャッチ。
危ないですね、香さんに当たったらどうするんですか?とりあえず「俺の香さんがすみません」と謝ってみた。無表情で。
一瞬止まった。驚いた顔ののち、顔を真っ赤にさせて「きぃぃぃぃーっ!」と悔しそうに睨む。あれ、ジャガーの本庄さんはいつからサルになったんスか?
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