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瞬時に、食欲と性欲の混合じゃななんて冷静に思うてしもうた。そんなことを考えておる場合ではない。
ボボボッ!と耳が、顔が、体全体が燃えるように熱くなって、涙まで滲んできたぞ。あぁ、やっぱり緋桜はわしを求めてくれるのかと、嬉しくて。
さっきまでの緋桜と同一人物とは思えないくらい、わしの耳に「だめッスか?」と色気のある声を流し込んできた。
途端に感じてしまい、ビクッ!と腰が跳ねる。ヤバい。今のでかなりズボンがきつくなってしもうたわ。これは早々に家の中に入って、仕込みをせねば。
「晩飯まで待てぬとは。当然、おぬしにも手伝ってもらうぞ?仕込み終わるまで、わしに手出しすればハンバーグが小さくなるからの」
「え、それは勘弁してくださいッス」
お返しにチュッと頬にキスをしてやり、身をひねって緋桜の腕の中から脱出。車から降り、彼の手を引いて家の中へ。
特大サイズを用意してやろう。さて、出来上がる頃にはどれほど小さくなってしまうのか?
その前に、緋桜のことばかり言えぬな。まずわしが、仕込み終わるまで耐えられぬやもしれぬ。不意打ちとはいえ、あれほどの刺激でもう達する寸前なんて。
怒っていた時の緋桜の言葉を一旦、頭の隅に追いやって。わしはルンルンで、着替えることもなくキッチンへと駆ける。
手を引かれる緋桜が、小さく「すみません」と呟いているのも気づかずに。
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