ワインの色味香りを上回るほどの

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「んー、美味かったぁ。れも、ワインよりも、香さんの方がもっともっと甘くふぇ、いい匂いれ、綺麗なピンク色。ち、乳首が熟しら木の実みふぁいれ舐め、たら、可愛い声で鳴いふぇ。いやいや言いながらナカをギューッてするのが、すっごーくエロくれ、はま……た、たまんらい。可愛い、大好きぃ……へへっ」  うわ、怖いっ!急に饒舌!?別人も同然の、ふにゃふにゃした締まりのない笑みを浮かべながら恥ずかしい言葉を並べる。  その一言一言が、ベロンとわしの耳を舐めるようで。恥ずかしくてたまらぬ。わしの頭から湯気が出ておるのではないか?  と、とりあえず、ワインが美味しかったようでよかった。まさかこんな風になってしまうとは思わなかったが。  果たして酔っている間の記憶はあるのか?確実に、明日の朝は緋桜のうめき声を聞くんじゃろう。なんて考えておったら。急に、目が回ってきた。  しまった。わしも酔いが回ってきたらしい。目の前の景色が、グルグル回って……グルンッ!? 「赤い、香さん。いい匂い。可愛い。んー……香さん。香さん、可愛い……」 「まっ、待て緋桜、今日はもうせぬぞっ!?明日は休みとはいえ、朝から山猫一家の様子を見に行くことになっておるじゃろうがっ」  緋桜越しに天井が見える。真っ赤な顔で、額に玉のような汗を浮かべて「はぁっ、はぁっ」と熱く荒い息を何度も吐く緋桜がわしをソファーに押し倒した。
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