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「うわぁ……!」
神殿を出たわたしは思わず感嘆の声をあげた。
幅の広い石段が続き、左右にはオリーブの木が等間隔に並んでいる。
そしてそのオリーブの木が淡い光を放ち、日がほとんど沈んでしまった中で頂上までの道を照らしていた。
さすが異世界、アテナの聖域なだけはあるみたいだねなんていうことを考えていたら、アテナがひとりでオリーブの木を剪定している様子を想像してしまい吹き出してしまった。
イージスの服を着ているおかげか、ほとんど疲れることもなく階段を登りきると、オリーブとは違う四本の木に囲まれた建物にたどり着いた。
四階建ての小さなお城といった雰囲気で、レンガと石の可愛らしい建物だ。
さっきまでいた神殿からは分からなかったが、丘の頂上は割と広く、家庭菜園くらいなら充分に出来そうなくらいの広さだ。
「あの木はなんだろう?」
家の周りを囲んでいる四本の木が気になってしかたがなかったので髪飾りの鑑定能力を試してみたけれど、鑑定結果は【鑑定不能】という結果だった。
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