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まえにみんなに誘ってもらった時、凄く嬉しかった。これからも誘ってもらえるように頑張った。
だけど女子高生デビューの数週間の差は大きいよ……。みんなにうまく溶け込むことができなかったなあ……
その結果として、クラスメイト達は亜手菜のことを遊びに誘いにくい女の子と認識してしまっていた。
さっき寝たフリなんてしていないでわたしから声をかけていたらいっしょに連れて行ってもらえたかな?
長時間の寝たフリで硬くなってしまった体をほぐしながら、入院中に読み漁った異世界転生の小説を思い出す。
「もう1回やり直せないかなあ。このままじゃ3年間ツライよ。いっそ、異世界に行って別の人生をやり直すとかできたらいいのになあ」
「じゃあ、わたしの世界に来てみる?」
「え?」
驚いて立ち上がって回りを見渡すけど、だれもいない。
「気のせい?」
立ち上がった時に思わず倒してしまった椅子以外、教室に変わった様子は見られない。
気のせいかな……
通学鞄を取り、教室の扉に手をかける。
「この扉を開けたら、そこは異世界だった」
「正確には、ふたつの世界の狭間ですね」
……いやいや、あるわけないよね。
ガラガラッと音を立てて勢いよく扉を開く。
その瞬間、真っ白な光に包まれ私は思わずグッ!とサムズアップを決めた。
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