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「長野と東京で恋愛を続けられる自信は、正直ないよ」
絞り出した声に、彼は少し肩を落としたように見えた。
地元で出会った2歳年上の男性と、3ヶ月付き合った。
初めての彼氏、というものに、少し浮かれていたのかもしれない。
恋に恋しているような3ヶ月は、なんだか落ち着かなかった。
断ったら、傷つけてしまう。
そんな生半可な優しさにずるずると引きずられ、気付いたらこんなにも時間が経ってしまっていた。
言いたいことをはっきりと言えない自分にイライラしていた頃、彼から転勤の話があった。
「東京に行くことになって」
ほっとした。
理由があれば、納得が気持ちを誤魔化してくれる。
卑怯な方法だったが、この中途半端な関係を早く終わりにしたかった。
「……そっか。今まで付き合ってくれてありがとね」
彼が最後に残した言葉が、今までの自分を見透かしていたようでどきっとした。
ともかく、この関係は終わったんだ。
恋人らしいことを何もしなかった、恋と呼んでいいかも分からないこの恋は、終わった。
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