第一話

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風に舞う花びらは、紅。 深く鮮やかなそれは、どこか甘みを帯びているという。 「あれは、血の色」 「確かに綺麗だが……きっとあれは、呪われている」 聞いた噂を思い出して、あながち噂ではないなと少年は納得した。 それくらい、この山は妖気に満ちている――麓ですらこれでは、さぞかし本体の方は。
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