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いつか、その思いを形を変えていた。育ち、膨らみ、そして次第に歪んでいく――。 “いや、永らえるだけでは足りぬ” “昔のように……昔以上に、美しく在れる糧を” そして、欲となったそれが最高潮に達した――その時である。 「ふぅ……うぇっ……」 とぎれとぎれに聞こえてくる、か細い泣き声。その方向に意識を向けて――桜の木は、声の主を見つけた。
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