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訪問者
ラクステルはその港に降り立って息をついた。
後ろから続々と人が降りてくるので、慌てて横に退くと、改めて港の様子を見回した。
きれいに整備された街。
ラクステルの目にはそのように映った。
行き交う人々は皆、身なりがよく、穏やかだ。
しばらく港の様子を眺めて、ラクステルは唇を引き結んだ。
難しい交渉をしに来た。
その結果によって祖国の命運が決まる。
それほど重要な役目を受けて来たのだ。
緊張が身を覆う。
両手を強く握って気を強く持つ。
まだ交渉相手にも会っていない。
18歳の女王。
どのような人物なのか。
ラクステルはまだ見ぬその者を思い描き。
一歩を踏み出した。
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