ミルフロト王国

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「どうぞ、お気遣いなさいませんように。少しばかり、緊張しているだけにございます」 グレイフェイシアは、首を傾けて、そう?と言う。 ジェファーは、そんな2人を見ながら、ボーリンに、茶を片付けたら、グレイフェイシアとともに、話を聞くようにと言った。 そのように、ひと休みが終わると、再びグレイフェイシアの執務机に場所を移した。 「さて、ここからは、各区について、ご説明させていただきます。まず、シャリーナですが、国王陛下の直轄地です。ミルフロト国のなかでも、多くの畑を有し、民はまず、不自由なく暮らしていると言えるでしょう。クラール国との結びつきが太く、あちらの技術が持ち込まれては、こちらで実用化するという関係で、新たな技術を広めることで、儲けを得ています。民の仕事で多いのは、耕作、技術開発、官吏、軍といったところです」 そのほか、シャリーナや、ほかの区の説明を受け、17時になると、ジェファーは切り上げた。 「続きはまた、明日(あす)、15時に伺います。それでは、失礼いたします」 グレイフェイシアは、疲れたが、急に視野が広がった気がして、心は浮き立っていた。 部屋を出て、居室に戻ると、長椅子で休む。 明日(あす)は、ボーリンとの関係に、変化が起こるかもしれない。 期待感が溢れる、そんな気持ちだった。
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