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もしかして下手に抵抗したら命に関わるようなことをされるのだろうか。
おかしな思考の男がキレるとどうなるのだろうと一瞬の間に頭の中に凄惨な映像が映し出された。
「わ、分かった」
「え」
「あなたのこと……助ける」
「本当?!」
「た、ただし、私が出来る範囲でのことしかやれないからね! 出来ないことはしないから」
「分かっている! 大丈夫、君に出来ることだから」
「あっ、そう。ところで……そういうことなので私の上から退いてくれない?」
私はずっと男に押し倒されたままの格好になっていた。
「あぁ、ごめん。──だけどこのままでいいよ」
「は?」
男がそういうのを訊き終わるか否かの間にいきなり私の唇は男によって塞がれた。
「?!」
(キ、キス?! いきなりキス、されているの? 私!)
盛大に驚きつつも私は必死に男の唇から逃れようとした。が、男は信じられない力で私を押さえつけ執拗に口内を蹂躙している。
(やだ、やだやだやだ──!)
必死にバタつく四肢。だけど男の力はとても強くてビクともしなかった。
そうこうしているうちに男の手が私の下半身に置かれた。
(ひっ!)
貞操の危機を覚えた私は渾身の力を込めて全身を揺らした。その拍子に唇が解放された。
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