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「……ん?」
目の前に立ちはだかった大木の根元に何かが落ちているのが見えた。
寄って手に取るとそれは掌に余るほどの大きさの卵だった。
「何かの卵か? この大きさ……それにこの模様はなんだ?」
白地に黄色い三日月の様な模様が描かれていた。
「三日月……月……月夜……さま」
思わず愛おしい人の姿を思い浮かべその三日月の模様にキスをしてしまった。
その瞬間──
ボワンッ!!
「わっ!」
いきなり大量の煙幕が私の視界を遮り、掌に重さを感じなくなった。
「な、ケホッ、なんだ、ゴホゴホッ……なんなんだこの煙はっ」
咽ながらも懸命に煙を払おうと腕を振りかざした。
次第に煙は晴れ、目を開けた私の前に立っていたのは──
「?!」
其処には全裸の女性が立っていた。
小柄ながらもメリハリのあるボディーライン。形のいい胸、細くくびれた腰、そして遮るものが何もない状態のぷっくりとした割れ目──……
「な……なっ……」
我ながらじっくり見てしまっていると思いつつ、視線を体から上に移し、まじまじと女性の顔を見て腰を抜かすほど驚いた。
「ひ! ひ、ひひひひ姫様?!」
その顔は何処からどう見ても私の愛おしい姫様そっくりだったのだ。
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