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「デ、ディディディディ……ガ」
「何をどもっている」
「い! いえいえいえいえ!! ど、どどどどもってなど!!」
「………」
私の顔をジッと見ていたディガはいきなりマントを捲りあげた。
「わぁぁぁぁー! み、見ないで下さいっ!!」
慌てたところで時既に遅し。目の前のディガが分かり易く表情を歪ませた。
「おい、ティスパル。其処にいらっしゃるのはまさかまさかと思うが」
「ち、ちちちち違……違いますぅぅぅ~~誤解なんです!」
「言い訳はわたしの部屋で訊こうか」
「ひぃ!」
ディガの有り得ないほどの冷酷な眼差しが胸に鋭く突き刺さり、一瞬にして身も心も凍ってしまった。
言われるがまま眠っている姫様をディガのベッドに寝かせ、私は半分涙目になりながら今までのことを大まかに説明した。
「──という訳で私には何がなんだか分からなくて……」
「……なるほどな」
「え」
黙って訊いていたディガがようやく瞑っていた目を開けた。
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