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俺の乗り込んだコア・ユニットはコンテナ機に積み込まれ、半日以内に全世界のどこへでも空輸される。輸送先で待っているのは戦車か、戦闘機か、それとも人型ロボットか。そのコックピットとしてコア・ユニットは装着され、どことも知れない戦場に赴く。
無人機による戦争が国際的に禁止され、戦闘に使われるマシンに人間の搭乗が義務付けられたのは4年前だったか。人が乗っていることが証明できさえすればいい。搭乗者はパイロットということにはなっているが、実際はすべて自律運転か、外部からの誘導操縦になる。もちろん、戦闘で破壊されればコア・ユニットだって無事では済まない。機械同士の激しい戦闘の中に生身で放り出されれば、生きて戻れるわけがないことも分かっている。
それでも。貧困に苦しんで自分で首を吊るくらいなら、安定した収入を得ながら突然殺されたほうがまだ。
流れはじめた映画は皮肉なことに戦争物で、俺はひきだしに常備してある睡眠薬を口に含み、背もたれを倒して横になった。
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