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「もし、昆虫族が人類の掃討をお考えなら、我々にもご一報を。お手伝いできることもあるはずです」
カマキリはかぶりを振った。
「彼らを滅ぼすのはいつでも、誰にでもできること。お心遣いはありがたいのですが、我々は『意思』に従い彼らと星を共にする覚悟です」
小さく身震いして、宇宙生命体は言った。
「ご立派です。くれぐれも、ご無理なさらぬよう」
カマキリは羽を広げて震わせ、謝意と別れの挨拶を同時に行った。宇宙生命体もまた、身体を変形させてT字を作って見せた。
ゲル状の宇宙生命体が乗り込んだ宇宙船は、光学迷彩を施すと、風ひとつ起こさずに飛び去っていった。
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