04-雑草

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 春になっても空っぽになったままの彼女の部屋の前で、今日、俺は小さな発見をした。植木鉢のあったあたりのコンクリートの割れ目に、緑色の芽がいくつも出ている。このヒョロヒョロした形は、たしかカモミールだ。このまま放っておけばきっと、初夏に花を咲かせ、リンゴのような香りを散らして種を増やすのだろう。  この部屋に次に女性が入居して、この雑草をきれいに抜き去ってくれるなら、俺はもう一度恋ができるような気がした。
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