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そうして凛たちはお外回りに行くことになった。
「うそ……」
七瀬さんが田代くんに詰め寄る。
「どうして離れなきゃいけないんですか」
「そりゃ4人で押しかけたら鬱陶しいだろ」
「……」
「相手方の会社に迷惑にならないよう、特に話もつけていないけれど、あらかじめ向かう場所は決められているんだよ」
「田代先輩と井浦くんでよくないですか」
「七瀬さん、はっきりいうね。君が男を嫌いでも、仕事だから。俺も性的な行動に移す予定はないんで、淡々とこなしてくれるかな」
「……」
(あああああ。はっきり言われたよ)
「田代先輩」
「ん?なんだ、井浦」
「俺も田代先輩と性的な行動しないんで、この際、交代しますか」
「おいこら、変なこと言うな」
「だって、もしもそう思われるのだとしたら、俺と胡桃沢先輩も異性です。
胡桃沢先輩に怖がられたり嫌われたくありません」
「……井浦くん(存在自体が怖いって思っていてごめんなさいっ!)」
「井浦、却下だ。理由はな、お前と胡桃沢さんが同部署で、俺と七瀬さんが同部署だからだ。部署が同じ者同士の交流のためなんだよ。
この交流にも月給は支払われているんだ。仕事として扱ってほしい」
「……わかりました」
(そうだよね、仕事なのに井浦くんを怖がっていたらいけないよね)
田代くんの言葉に凛も深く反省した。
そして、七瀬さんと田代くんと別れ、いよいよ井浦くんと2人でお店を回ることになった。
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