【第1章】 亡くした番号

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歩き出して少し時だった。 前方から走って来た小学生とぶつかった。 その瞬間、右手に持っていたスマホが川に落ちてしまったのだ。 「ぁーーーーー!」 焦る悠一。 そんなこと気にせず、小学生は走り去ってしまった。 「どうしよう。帰ったらなおの事、田中さんに怒られるよ。」 そんな悠一は、ある看板を目にした。 【亡くしたスマホを貴方の手元に戻します。 MagiC NumbeR】 嘘だと思いながら悠一は、看板の示す路地に足を進めた。 どんな路地でも、人通りがあるはずにも関わらず、ここは、人っ子一人居ない。 こんなところに店があるのか。と不安になりながら、悠一は路地を歩いて行った。 路地を歩きだして2分程、目の前にレトロな風合いの店が現れた。 「MagiC NumbeR、ここか。」 店の前には、看板が立てかけてあり、 【亡くした大切な番号を復元します。 今まで通り、電話もメールアドレスも変更なく使えます。】 OPENと書かれた看板を見て、悠一は扉を開いた。 「いらっしゃいませ。仕事用のスマホを川に落とされたようですね。当店で復元しますよ。」 店内に居たのは、黒く長い髪が印象的な20代後半から30代前半ぐらいの女性。     
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