捨てられたネックレス

双子姉妹

姉妹でも、
姉は美人で頭も良いのに、
妹はダメだねと言われることがよくある。
私の場合は更に深刻だ。
双子なのに姉は美人で明るくて頭脳明晰、学校でも人気者。
かと言う妹の私、高橋百合は・・・

「百合、今日も暗いね。どうしたの？」
親友の智花が話しかけてくる。
でも今日は話したく無い気分。
だって、昨日の定期テストの発表で、姉の綾は学年一位、私は九八位。
自宅でも綾ばかりが褒められて、憂鬱な気分になった。
必ず両親が言う言葉は、
「何故、双子なのに、違うんだろうね・・」
あなたたち、その言葉で私がどれだけ傷ついているか気付いていないでしょう・・と両親に心の中で思っても、声には出せず、こうやってドンヨリした気分のまま、朝を迎えた。

「そうか、テストの成績ね。百合は理科と数学がまったくダメだもんね。文系科目はトップレベルなのに。綾さんは、またトップだったってとこか・・・」
「・・・・」
完全に見透かされて何も言い返せない私・・

ずっと綾の後ろを追いかけている。
でも中学の時も一度も追いつけ無かったし、同じ男の子を好きになって、結局、綾に取られた。

でも頑張って同じ高校に受かったのに、両親からは奇跡と言われるし・・。
確かに、私と綾は二卵性の双子だから、顔も似てないし、背も綾の方が高い。
幸運の女神も必ず彼女に微笑む。
だから私は彼氏いない歴十七年・・