退屈な日本史の授業

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小うるさい神が咳払いでたしなめてくる。ちぇっ、いいじゃん別に。稽古がどうのこうのとか言ってたけど、俺やる気無くすわー。だってこんなに可愛い女の子ならその木製の稽古用の薙刀で百叩きされてもいいもん。だって、道場の板の間に素足なんだぜ?薙刀でぶたれて、素足で俺の頬っぺた踏んでくれないかなー。 「オイ、やる気ないならもう続き書くのやめるぞ、コラ!」 また見えざる声がする。続き書くのやめるってどういうことですかね?俺は謎の世界に迷いこんだけどあんたの操り人形じゃないんですが? 「フフフ…それはどうかな?」 見えざる声が不気味な笑いを発すると俺は、バネ仕掛けの人形のように、道場にある木製の稽古用の槍を取った。なんだと?自分の意思に反して体が勝手に動いてしまう。そして、勝手に口まで動く。 「竹子殿、いざ尋常に勝負!」 え?なんすか、コレ?俺は万年美術部、しかも幽霊部員なんだよ、無理っしょ槍とか。ゲームでしか使ったことないし。そう思う俺の心に反して体だけがすいすいと動く。竹子が素早く繰り出してくる薙刀を払いのけ、俺は槍を竹子のみぞおちのところで寸止めする。 「構えが大きすぎます、もっと脇を締めて。もう一度!」 えっ?これ俺の声だけど喋ってるの俺じゃないし。竹子がもう一度構えて今度はさらに素早く突いてくる。俺の体はまた勝手に動いて、今度は横っ飛びに左にずれて竹子の脛に槍を軽く充てる。俺は腹話術で有名な芸人のように勝手に喋らされる。 「今度は足元ががら空きです、まだまだ」     
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