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「おい。俺様の言う事が理解出来るだろうから、二択を選ばせてやる。一つはこのまま衰弱死するか。もしくはこの俺様に、苦しまない様トドメを刺されるか。好きな方を選べ」
ドラゴンは目を瞑り無防備になる。痛覚遮断魔法をかけてから、ドラゴンキラーで眉間を突き刺して即死させた。魔力に変換され消えて行くドラゴン。
「明日の召喚が楽しみだな!」
今日はもう寝る俺様であった。翌日、ドラゴンを召喚しようとリストを見て愕然とする。
「ドラゴンがいない、だと?」
何処からどう見ても、ドラゴンの文字が見当たらない。代わりに、新しく召喚出来るリストの一番最後にはーー。
「ミニパピー・・・まさか」
ステータスの詳細を確認して崩れ落ちる。俺様大ショック。華麗なる乙姿勢。
「ドラゴンの幼生体って何だよ! 俺がトドメ刺すだけじゃ駄目なのかよ! ドラゴンなんて滅多に見つかるかよ!!」
勇者に先を越された事がこんな所で響くとは思わなかった。てか彼奴が勇者であった事を、今でも信じられんのだが・・・ん?
自身のステータスに称号が追加されていた。見てみると、「田舎勇者を倒す者」となっていた。
「勇者前に田舎って付いてるよ。もしかして勇者って何人もいるのかよ」
頭が痛くなってきた。ミニパピーは召喚しておいて、俺様少し八つ当たりをしに行く事にした。八つ当たりの先はーー。
田舎と言うだけあり、街にまで発展していない村が其処にあった。此処であの勇者が生まれたのか。強そうな気配も無く、本当に田舎だった。彼奴は何処であんな高価な装備を手に入れられたんだ? 謎が深まる。
「まぁ今は考えても仕方ない。俺様の腹の虫を治める為に、この村を破壊しに来たんだからな」
どんな殲滅魔法を使ってやろうか考えていた時だった。遠くの方から強い気配が、こっちに向かって近づいて来るのを感じた。
「何だ? 今迄で一番強い気配だな。こっちに何の用があるってんだよ?」
気になったので、村の事は頭から離れて、近づく気配に集中する俺様。現れたのはーー。
「貴様が勇者か? 我が仲間をよくもやってくれたな!」
「ブラックドラゴン? 何故お前みたいなのが、ただのドラゴンの敵討ちに来てんだよ」
「アレは我が戯れで番になったドラゴンが生んだ子供よ。偶には子供顔でも見てやろうかと来てみればあの惨状、決して許さんぞ勇者よ!!」
あー、勇者とドラゴンが戦っていた所はあのままだったから、俺の事を勇者と勘違いしてるのか。面倒くせえ。
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