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「先輩、すいません。疲れてるのに送って貰っちゃって。」
遅くなったからと先輩が家まで送ってくれることになった。
「バカ、そんなことイチイチ気にすんなって。大体、危ねぇだろ、こんな時間に女子高生が一人で歩いていたら。」
「こんな時間ってまだ7時を少し回った所ですよ。それに私なんて誰も襲ってこないですって。」
こんなちんちくりんなお子様体型の私なんて誰も見向きしないよ。付き合いだして知ったことだけど先輩って結構、心配性なんだよね。
「へぇ…」
と急に立ち止まると先輩は
「だったら、俺が今すぐ襲ってやろうか?」
「えっ……。」
ニヤリと笑いながらググっと迫ってくる。
思わず後ずさるもののジリジリと道路脇のブロック塀に追い込まれた。
身長180cmを超える長身の先輩の両手が150ちょっとしかない私の顔横を掠めブロック塀を押すように付く。
完全に先輩の両腕に閉じ込められてしまった。
身動き出来ないでいるとゆっくり先輩の顔が近づいてきて……
「真由奈…」
「っ…」
普段、お前しか呼ばないのに…何で今、そんな優しい声で名前で呼ぶかな。
それよりも…
これって…も、もしかしてキス、される?
ついにファ、ファーストキスっ!!!
思いっきり、ぎゅうっと目を閉じた。
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