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「はぁ…ほんっと世話の焼ける女だよな。よしっ、じゃあ、こうしよう。」
「な、何ですか?」
もう何を言われてもできる気がしかないんだけど…
「次の試合で俺、絶対勝つから、そしたら名前とキス。いいな?」
「ええっ、そんな事出来るわけ…」
「出来るよな?」
有無を言わさぬ勢いについ首を縦に振る。
「いいか、俺は必ず勝つ。そしてシュートを決める。しかも誰よりもだ。だから今からちゃんと心の準備しておけ。」
言いたいこと言うとあっけなく私を解放して、颯爽と歩き出した。
「おい、ボケっと突っ立ってんなって。ほら。」
「えっ、ああ、はい。」
振り返った先輩に手を差し出され慌てて側に寄る。
いつもなら手を繋がれるだけでドキドキが止まらないのに今は…
色んな意味でドキドキしすぎて…
心臓が止まりそうだ。
だって先輩…
勝つに決まってるよ。
シュートだって、きっとバンバン決めちゃうよ。
てことは、次の試合の日がーーー
私にとってはじめての…
ファーストキス決行日?
「うひゃぁ。」
想像しただけで変な声が出た。
「相変わらずおもしれえな、お前。」
もぉ…先輩、私の気も知らないで…
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