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そしてあっという間に試合当日になった。
同じクラスのムッちゃんと一緒に応援にいくことにした。
一人じゃ心細いしね。
ムッちゃんの彼も先輩と同じバスケ部。
しかもキャプテンだ。
この夏、三年が引退した後、新キャプテンとなったのだ。
つまり、先輩と同じ二年生。
ムッちゃんと彼は幼馴染みなのでその付き合いは実に長い。
「ねぇ。ムッちゃんはそのぉ……キス…した?谷口先輩と。」
試合会場である相手校に向かう電車の中で思いきって聞いてみた。
「えっ、なによ、いきなり。しかもこんな朝っぱらから。」
「ごめん、ちょっと気になって。」
ムッちゃんとは高校に入ってからの友達だけど、面倒見が良くて頼りになるからついつい何でも話しちゃうんだ。
先輩に告白できたのもムッちゃんが応援してくれたからその勇気が持てたんだと思う。
「気になってって…。そりゃ、まぁ…してるわよ、キスくらい。でもその先はまだだけどね。隼人が私の事、大切にしたいからって。」
「えっ、そ、そ、その先……って。」
「その先はその先よ。てゆーか、あんた先輩となんかあったの?話、聞こうか?あっ、でも、もう駅着いちゃうよね。今度、ゆっくり聞く。今は試合が先だ。ほら、急ごう。」
私達は電車を降りるとバスケの試合会場へと向かった。
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