序章 俺は真悪 白蛇(しろへび)だぁ

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序章 俺は真悪 白蛇(しろへび)だぁ

昭和八年 帝都 東亰の神宿 大震災の影響が少なかったので 近くの神羅坂よりも繁華街として発展したために このところ 雑多の人種が 乗り込んで来ては 猥雑な空間へと変貌遂げた ここ追分近辺 四越裏 カフェ街 夕日が沈み 暗くなってきた中 ばしん ばきん びしん べきっ 数名の男たちが よってたかって 小さなものを 殴り蹴り飛ばして います 「このガキャァ~! 今掏ってきた金 全部寄越しやがれぇ」 また 殴り付けては大きな声で威嚇する 若いチンピラ風の男たちが 責めているのは 少年一人 どうやら この界隈で 掏りを行ったらしいのだが 五名のチンピラたちは ゲラゲラ 下卑た笑い声をあげながら  少年の小さな身体を殴ったり蹴ったり  裏道 こんな路地で 起きたアクシデントを 気にするひともいなく 少年は 口を切ったか 血を流しては「ふざけるなぁ ここいらはお前らのしまじゃないだろうがぁ」 「へへ ばか野郎 もはや 俺たち 黒畷組(くろなわてぐみ)が治めることになってるんだぜ」 「その縄張りで 仕事をしたんだから 所場代払うの当たり前だろうが がはは」 「ほらほら 早く出せよ こっちも暇じゃねえんだよ」 「てやんでぇ 誰がぁ てめぇらみたいな チンピラにやるかよぉ」 少年 ボロボロになるも まだ 抵抗するようだが  「ならぁ 動かなくなってから 貰うだけだがなあ」と また 殴りつけようとした その時でしたぁ
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