第二章 女賊 紅蜥蜴

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黒畷一家から 若い衆が 大慌てで 三軒の賭場へ走った その姿を 神宿の町中にある神社から眺めていたのは なんと 数時間前に 御苑の樹上から 白蛇と日本刀の夜叉の激闘を眺めていた女 そうです この女が 今回の賭場襲撃の黒幕 女賊 紅蜥蜴でした 彼女は 自身の色香で 賭場に出入りしていた商家の旦那衆を手玉に取り まんまと 入り込み 中から手筈をしては 手下の紅蜥蜴団員に襲撃させました その時間をずらしては まさかの三軒連続と言う荒稼ぎをしては 金は全て盗み出して さっさと逃げおおしては この騒ぎを高みの見物です 「黒畷の幹部連はあと 三人か いずれ 白蛇と噛み合って消えていくように仕向けるかねぇ」と独り言を呟き 靖国通りの人混みへと消えて行きました さて この紅蜥蜴 今は その辺の工場で働く女工のような姿で 汚れた作業着を纏い 大勢の一人に見事 溶け込んでしまいました。 紅蜥蜴と言う女賊 白蛇にとって敵か味方か? いったいどういう魔性の女なのでしょうか?
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