第二章 女賊 紅蜥蜴

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白く輝く真珠のネックレス 掌サイズだが純金の観音像 はたまた 銀の懐中時計 そして大きなダイアモンドの指輪などなど テーブルに展示された品々を見ては 皆  何百円 千円 いや 五千円 っと 値をずんずん 引き上げては 競り落としていきます いやはや ここの女主人 紅乃と言った女性は 慣れたもので 手際よく 売り捌いていきます このバー「影絵」では 月に数度 このような催しを行っていて 結構 上流階級の方々には 知る人ぞ知る 名所となっているようです そこへ  最後の品 黄金の首飾りが おーくしょんにかけられた  その時 女主人 紅乃の元へ一人の黒服が傍へ来ては 何事が囁きました 「皆様方 本日はこの一品にて終了とさせていただきます なお これが競り終わりましたなら いつものように すぐに撤収してください どうも 不審者が彷徨いているようです くれぐれも慌てずに 裏口より お帰りください」 と言い放ち 最後の一品を テーブルへと置いては 他の従業員いや 手下か?へ すぐに撤収できるように 目で合図をして  最後のおーくしょんに入りました さて この店 バー「影絵」の近辺を彷徨く不審者とは なんと あの つばくろと言う少年掏りではありませんか? 何故 彼がこの店を探ったりしているのでしょうか?
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