第二章 女賊 紅蜥蜴

8/8
前へ
/81ページ
次へ
女賊 紅蜥蜴 華奢な体つきには似合わぬふてぶてしさで 笑い声をあげては ははは「おそらく 警視庁の密偵かねえ 軍部だったら もう少しはばれないようにしてるだろうねえ さて こいつに自白剤射ちな」と手下の一人に命令を下すのを見て 密偵とおぼしき男  いきなり 舌を噛み切り 自害してしまいました 「ふん やはり 警視庁の密偵だったようだねえ まあいい お前ら この二つの死体片付けておきな それとここももう潮時だねえ 皆 次のアジトへ移動するよ」とすかさず 命令一過 手下たち素早く バー「影絵」から 物資を運び出しはじめています そして今一度 つばくろ少年に向かって「つばくろよ さっきの返事はどうするんだい? 断っても別にお前さんの命を頂こうとは思っちゃいないがねえ」と 言葉とは裏腹に迫力ある物言いで言ってくる 紅蜥蜴の姉御に つばくろ少年 怯えることなく「まあ 共闘ってのは構わねえが 万が一 白蛇の兄貴とあんたらがぶつかるようなことがあったらおいらは 兄貴につくぜ 黒畷衆 そしてその上に対しては共闘しよう!」 「ふん 勇ましいねえ このあたしに条件つけてくるなんざぁ まあいいさ ンじゃあ これより 共闘の証しにこれ渡しておく」と言って差し出したのは 蜥蜴の形をしたブローチ いやただのブローチではなく 笛になってるようです 「もしもあんたがあたしに連絡とりたい時ゃ これを吹けば 連絡つくようになってるのさ ははは」と嘘か真かわからぬ言葉を残して いきなり 部屋の灯りが消えて 皆忽然と消えてしまいました
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加