第三章 激突 白蛇対黒畷衆

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大八車を引き移動中だった 黒畷衆の若いやつら まさに 蛇に睨まれた蛙のように 身動き一つとれなくなってしまいました。 それを見た 疾風の市 「なるほど 貴様も忍びの末裔ってことかい その技 どこの派だ?」 「ふんわざわざ そんなこと教えるか では戦い再開だな」と今度は 白蛇が 鋼鞭で 市へと攻撃を仕掛けています ナイフの乱れ撃ちで 戦いの続きをしようとしていた 市 が あの鞭で 全て弾かれてしまっているのを見て すぐに 戦法を変更 「鋼鞭じゃあ ナイフは分が悪いからこっちも 武器変更するぜ」と言うや 背中に背負った 平たい三日月型の武器を手に持っては いきなり 水平に投げつけてきました 「我が三日月刀の力 思いしれぇ~!」 ブーーーん 唸りをあげて 回転しながら 向かってくる キラキラと光る 刃らしきものを 白蛇 これも 鋼鞭で 弾き返そうとするも シャキン ああ 鋼を伸縮自在に伸ばして作った 鞭が 切断されてしまいました 切断してもさらに勢いを増して 白蛇に突っ込んで来る その三日月刀を 空へと舞って かわしては こちらも 短くなった 鋼鞭で再度 市へと攻撃するも なんと かわして後方へと飛んで行ってしまったはずの 三日月刀が 円を描いては 疾風の市の右手へと戻って来ています そして 今度は それで 再び 鋼鞭を両断されてしまいました。 「ははは 無駄だ 貴様には この三日月刀破れはしないぜ」と再び 飛ばして来ます。 白蛇 鋼鞭を三分の一ほど切断されるも 焦らず 三日月刀の動きを 見極めては  再び 空へと舞いました が そこへ ナイフが数本 一気に 飛んで来ては 宙で逃げ場のない 白蛇へ集中攻撃です 絶体絶命かと思われた その時です 白蛇 なんと 空中を走っては そのナイフをかわして さらに 空を回転しながら飛ぶ 三日月刀の真上へ移動してはそれを右足で 思いっきり踏みつけてしまいました。 「馬鹿な我が三日月刀を踏みつけただとぉ と言うか あの技は 我が流派では空走りの術 貴様 そこまで会得していやがったのかぁ」 「黒畷では 空走りと言うか 我が流派では 忍法韋駄天(いだてん)」
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