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神宿四越裏のカフェ街 細い裏路から 一人 何事もなかったかのように 出ては 神宿御苑方面へ向かう 群青色のケットを頭から被った若い男
そのすぐ後ろに 小さな影が 走りよって来ては「兄きぃ~白蛇の兄きぃ 待ってくれよぉ」
後ろから駆け寄ってきた少年掏りを見向く事なく 白蛇「失せろ 掏りのガキに兄き呼ばわりされる覚えはねえ」と低い声で言うや 足を速めようとすると
少年が さらに素早く 前方へ回り込んでは まとわりつき
「おいらぁ つばくろってんだぁ ここいらでは名が知れてんだがさ あいつら あのままにしてていいんかい?」
「ふん! 黒畷のチンピラなんぞ 屁でもねえ それより お前ついて来るな 鬱陶しい」
「そんなこと言わずにさ でも やつらの上の幹部連中はヤバイって話だけど あのまま野放しちゃぁ 仕返しに来るぜ」
「だから やつら殺しておけとでも言うのか?俺は 本気でやりあえるようなやつにしか 力は出さねえから あの程度で済んだんだ って お前 なんだってついて来るんだよ うぜぇ」
つばくろと名乗った少年掏り 意外と 他人に心を開かせるような明るさがあるのか
まるで相手にしていなかった 白蛇をも 会話の相手にしています
「あとな 俺の名前と顔 忘れな! 俺は他人と関わるのがでえ嫌いなんだ とっとと失せろ!」
「でもさ 白。。。いや 兄きはなんだっておいらを助けたんだい?」
「やつらがただ目障りだったからで 別にお前を助けたつもりもねえ 」
「まあ いいや おいら 今日は仕事してねえのに やつら急に突っかかって来やがってさ だから頭きたから ほら」
手には 五つの札入れがあり。。。
と なんと あの殴られて蹴り飛ばされてる最中に このつばくろ少年 チンピラたちから 札入れを掏っていました。
それを見た 白蛇も これには思わず
苦笑いをしては「くははぁ おいおい もしかして 俺は お前の仕事の邪魔してたのか? こりゃ いいわ ははは」と和んでいます
「ああ でもさ あのままじゃ こっちも逃げ出せねえから 結局半殺し いや殺されてたかもしれねえや ありがとう 助けてくれて 兄き これお礼に」と 札入れの一つを手渡して来ようとするのを 押し止めては
「金なんざ 腐るほどあらぁ 要らねえよ 」
「一つ聞いてもいいかい 兄き」
「んーああ?」
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