序章 俺は真悪 白蛇(しろへび)だぁ

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追分を通り越して 御苑方面へと歩く二人 その時 白蛇 異変を感じては「小僧 急いでここから離れろ」 「えっ なんで急に?」 「やつら 忍び笛で仲間を呼びやがった 十名以上が こちらへ向かって来てやがる 急げ」 「おいらも。。。。。って足手まといになるかぁ じゃあ またどっかで会おう 兄きぃ」と一言 御苑の森へと走りぬけていきました すると 一人歩く 白蛇のすぐ後ろへ 十名の黒装束を身に纏った集団が現れました 「おおぉぉ 元忍びの集団だけに足が速いねえ 黒畷衆」と後ろを降り向かずに低い声で言ってのけた 白蛇 自身の着流しの懐に 頭の群青色のケットを丸めてしまいながら 振り向きました 黒畷衆の先頭にいた小柄な男が「我々に楯突く若いやつがいるそうだが その不遜な口からして貴様だな白蛇と言うのは」 「わかってるなら訊くねぇ 黒畷衆 俺をとっちめてやろうって寸法かい? 無理無理 たった十名じゃあ相手にもなんねえよ とっとと引き返しな!」 「ふふ口だけは達者だな ここに連れて来たのは先程お前が痛め付けた下忍にも満たないやつらじゃあねえぞ お前ら やっちまえぇ~!」との号令と共に 五名 四名の二手に別れるや 前方の四名が まずは 直刀を抜き放ち 一斉に斬りかかって来ました が 白蛇 慌てず 左手の甲から腕に装着している 手甲を盾にして 二人の斬撃を弾き飛ばしては頭へ蹴りを続けざまに放ち倒して 直ぐ様 右手から あの合金製の白銀に輝く鞭を放っては さらにもう 一人の直刀を叩き折っては その刃が持ち主の首筋に突き刺さり絶命させます。 そこへ 残り二人の剣が突っ込んできたところへ 剣を横から蹴り折っては 一人へ剣先がすっ飛び 顔面に刺さり絶命 もう一人は自分の剣が折られて仲間を殺してしまったのを見て  破れかぶれに 折れた直刀で殴りかかってきましたが これも軽くかわされては 左手の甲を首筋に叩き込まれて 首の骨を折り絶命しました まさに 一瞬の攻防で 仲間を五名失った 指揮官は 苦笑いを浮かべて 「白蛇とやら お前も武術 いや 忍術を会得しているなぁ 見事な体術に武器の扱い 面白い あとの四名はさらに実力は上だぞ あはは」と凄みを増した笑い声を響かせる黒畷衆の幹部らしき男 それを聞いて 白蛇もまた 「そりゃぁ 楽しみだな」と嘯いて
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