序章 俺は真悪 白蛇(しろへび)だぁ

9/9
前へ
/81ページ
次へ
夜叉 再び 刀を正眼に構えて 身動きせず 白蛇を見据えては シャキーン! 素早い一閃が 白蛇の左側を掠めて 「おっと」ギリギリにかわした白蛇 木刀を持ち 激闘を見る 黒畷の若いやつの一人が「夜叉さんの陽炎の型で攻められれば どんな剣豪も殺られてしまう 観念するこった」と言った矢先 「あっなるほど 理解したぜ その術見破ったり」と嘯く 白蛇 しかし 夜叉 慌てず騒がず 「何を強がっている たった二度で理解できる訳あるまい。次で仕留めよう」と 強気の発言 三度び 刀を正眼に構えた 夜叉 ここから 急激に繰り出される斬撃に二度 危うくかわせた白蛇 どうするのか? その時 「やはりな 上半身を不動にして刀身に敵の意識を集中させては、両の足が前後左右 微かく移動を繰り返して 前に来た瞬間 そこで 斬撃を繰り出すってことだなあ」 とまさに 斬撃を繰り出さんとした夜叉が圧し留まり 「陽炎の型 よく考えてあるねえ」 「馬鹿な 今だかつて 誰にも悟られなかった 陽炎の型をたった二度で見破るとは 貴様ぁ叩っき斬ってやるー」と 足の動きをさらに加速させて 相手に間合いを計らせぬ作戦に出た夜叉へ 「お前が忍法を使うのならば こちらもお返ししようか」と一言 すると 白蛇の 爬虫類を思わす両の眼が 一瞬 細く閉じられては  ピカリ 銀色に一瞬 輝きを増して「忍法蛇眼(じゃがん)」と呟くや ああ それに見据えられた 夜叉 まさに蛇に睨まれた蛙の如く あれだけ素早く動いていた足元も 全て動きが止まってしまいました。 そして 「これは なんだぁ 体の自由が利かん」 と叫ぶ 夜叉 それを救うべく駆け寄って来た 黒畷の二人を 夜叉自身が 日本刀を振るい 叩き斬ってしまいました 「馬鹿な何故だぁ!」と言いつつ なんとかこの術の縛りを解こうともがく 夜叉の目の前へ 白蛇 歩いて来て「はい ここであんたの人生はお仕舞い」とふざけた口調で言い捨てて 夜叉の眉間へ 右手人指し指と中指 二本で突きをいれました どたん 夜叉 これにて 絶命 この激闘を 近くの樹上から見ていたものが 「あれが 噂の白蛇かぁ なかなかいい男じゃないか」と ん女ぁ?
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加