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しかし、この大本教が後の新宗教に与えた影響は無視できない。先述したように生長の家や、岡田茂吉を教祖とする所謂「お光りさん」の系統の諸宗教や、白光真宏会など、多くの神道系の新宗教の元になっている。まさに「大本」である。では、この大本教系の諸宗教を見ていこう。私も実際に取材したり、体験したりしたことを書くことになるであろう。
(イ)生長の家。
生長の家は大本の出口王仁三郎の下で王仁三郎が口述した「霊界物語」を筆記していた谷口雅春が起こした神道系の新宗教である。谷口がこの生長の家を立教したのは昭和5年であるが、戦後に信者を増やし、現在の日本会議などにも影響を与えるなど、看過できない勢力になっている。この生長の家の大きな特色は「万教帰一」を唱え、神道のみならず仏教やキリスト教などの教義も取り入れていることだ。そして「神想観」など、独特の修行(瞑想)方法を取り入れている。私はこの生長の家は二回ほど訪れたことがあるが、それよりも私の友人が実際にここに数名入っていたので、詳しい話も聞くことが出来た。彼らの主張がわかったらと思って、彼らとの対話を記すことにする。
・中学の同級生のN氏。---Nは自分から入ってのではなくて両親が生長の家の熱心な信者であったのでこの信仰に入った。既に中学の時に谷口雅春の著した「生命の実相」を学校に持ってきて読んでいた。中学時代の私は父親が教師で日教組の活動家でもあったので
、その影響からか完全な「サヨク」であった。どこで手に入れたか忘れたが、レーニンのバッジを持ってきて名札に入れていた。それを見たN氏は言った。
「そんなもの持ってくるなんて校則違反や。レーニンなんか大嫌いや。」そして、私に「生命の実相」の分冊の一つを読むように勧めてくれた。当時の私はこれも母の影響であるが、日本キリスト教団のキリスト教会へ通っていた。この日本キリスト教団は戦後はどちらかと言うと反戦平和運動などをやったりして左翼との関係が強かった。そして「生命の実相」には何とキリストのことが書かれてあった。彼が私に渡すものだからと思って考えたのであろう。その内容までは記憶してないが、まさに「万教帰一」である。そして翌日彼が言った。
「キリスト教のこと書いてあるやろ。面白かったか?」
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